あたしたちはとりあえずその場に腰を下ろすと、まず恭介さんが口を開いた。


「正直に申し上げます。遺体は、どこにも見当たりませんでした」


「えっ!?」


真っ先に声をあげたのは琥太郎だ。その勢いのままあたしの方を振り向く。


「薫、遺体の場所分からなかったのか!?やっぱり!?」


「やっぱりって!!失礼なっ!!」


全く。開口一番何てやつだ。


「そうではない。あんたたちが通った道だけではなく、他の道、更には茂みの中までくまなく探しましたが、それらしいものは見つかりませんでした」


「遺体どころか、血の痕すらなかったよね。いくら自然の中でも、一晩ではほとんど変わらないはずなのに」