「よし、念のため、向こうの道も辿ってみよう」


恭介さんが、おそらくもう一本の道があるであろう方向を指差しながら言った。


「あっちを?」


「どのみち屯所に帰るのに戻るだろう。無駄道ではないし、念のためだ」


「やれやれ、誰も文句いってないじゃない」


というわけで、注意深く辺りを見渡しながら歩く二人の後ろを、あたしは少し小さくなりながら着いていったのだった。