「琥太郎が変なこというからー!!」
「俺のせいじゃねえだろ!おい!くっつくな!」
草むらをかき分けるような音は、だんだんこっちに近づいてくる。
それと、微かに混じる、唸り声。
「……何だ?」
さりげなく音がする方向とは逆にあたしの身体を押しのけ(優しい!)、刀に手をかける琥太郎。
一応怖くないよと意地を張ってあたしも刀に手をかけた。
「ぅぅぅぅぅぅぅうううぐわぁあぉ!!!!」
一瞬全ての音が止まった後に、近くの茂みから黒い物体が飛び出した。
「うわ!?」
「薫!!」
それと同時に琥太郎が刀を抜き、黒い物体を切りつけた。
「があああああぁ!!!」
物体は一瞬ひるんだけど、飛び散る血をものともせず、あたしたちに突進してくる。

