魁部隊

「あ、あの、それよりも早く行った方が……」


あたふたと二人の間に入るあたし。


でもそんなあたしにはお構いなしに、直紀さんはぐいっと恭介くんに近づくと、こそこそっと耳元で何か囁いた。


「なっ……、それは、あんたの要望ではないか!!?」


「えー?いいじゃん別に。それに、何もないんなら別にいいよねー?」


にやにや笑いながら、直紀さんはあたしの手をぎゅっと握った。


「え?ええ!?」


「さっ、薫ちゃん行こー!恭介も早くしないと置いてくよ!」


「直紀さん!?」


「直紀!!ちょっと待て!!」


赤いような青いような、妙な顔色の恭介くんが後ろから追いかけてくる。


「急がないとさっきの鬼が追いかけてきちゃうからねー!!」


あはは、と笑いながら、直紀さんはあたしの手を握ったまま一気に屯所を飛び出した。