二人で並んで部屋を出て、廊下を歩く。


「確か、空いてる部屋に入ったのだったな。廊下から見るとどこも同じ部屋に見える故、覚えにくいだろう」


「そうですね。早く覚えないと」


何てことはないことを喋りながら、さっき案内してもらったあたしの部屋にたどり着く。


「では、必要なものを取ってまた廊下で待っているといい。俺も、部屋に行って戻ってくる故」


「分かりました。ありがとうございます」


恭介くんには悪いけど、玄関で集合って言われるとあたし絶対迷うし。


そっちのほうがよほど大迷惑だろうから、お言葉に甘えておく。


「えーっと」


襖を開けて部屋の中に入ると、当たり前だけどさっきと同じ光景。


あまり多くはない荷物の横に、ぽつんと置いてある刀を持って部屋を出る。


すると、ちょうど向こうから恭介くんも刀を携えて歩いてきた。