魁部隊

「あたし……っ、兄さんに、母さんが自殺したって聞いて、ショックだったけどでも、実感がわかないんです……!母さんが死んだのに、あたし、涙も出なかった!そんなあたしが、泣く資格なんてないんです!」


言いながら、あたしの両目からは、塞き止めきれずに涙が次々にこぼれ落ちていた。


「みんなを楽にしたかっただけなのに!お金が入れば暮らしが楽になるって、なのに!どうして……っ!!」


叫ぶように、あたしはしゃくりあげる。


だけど、ここには、親がいない人たちや、捨てられた人たちがたくさんいる。


その人たちに比べたら、あたしはすっごく恵まれていて、母を失って泣くことなんて、許されないと思っていた。


みんなよりずっと幸せに暮らしていたあたしが、皆の前で、ここで、泣く資格がないとも思っていた。


あぁ……だからかな。


今まで、涙が出なかったのは。


無意識に、感情を制御してしまっていたのかもしれない。