一度解散となり、各自部屋に戻る。


あたしは、部屋に戻ってからも落ち着かなくて、辺りがしんと静まり返ったのを確認してから、こっそりと抜け出した。


廊下を歩いて、月でも見上げようかと、縁側に腰を下ろそうとしたとき。


先客がいるのに気がついた。


「……颯さん」


「……薫、か?」


「どうしたんですか?単独行動は禁止だって、副長が、あ」


自分で言ってから気がついた。


「そりゃお前もだろ」


颯さんが笑って、自分の隣を手のひらで指し示した。


座っていいってことなのかな?


「……失礼します」