あたしがそう言いかけると、颯さんは不機嫌そうに、どかっ、とあたしの目の前に腰を下ろした。


「稽古をしに来ただけだ。休みをどう使おうと俺の自由だろ」


「……そうですね。すみません」


あたしは素直に頭を下げた。


あたしの行動と、そして並べられた二本の刀に、颯さんが怪訝そうな顔をしているのが分かる。


「……何を考えていた?」


重たい沈黙を破ったのは颯さんだ。


「人獣の、ことです」


あたしがそう言うと、颯さんの顔が険しくなった。


「お前は……」


「違います!あたしのせいでとか、もう考えてません……」


あたしがそう言っても、颯さんはじとっとこちらを見たまま視線を外さない。


本当のことを言うまで信じないというような顔だ。


でも、あたしも颯さんに相談したかったから、ちょうどよかった。