そっか。


副長たちにとって、いや、たぶん隊長からしても、恭介くんも、他の人たちも、小さい時から一緒にいたんだもんね。


絆が強いんだ。


「さて。今、隊長が、とりあえず今の時点で分かっていることの報告書類を作っていますから、確認しなくては。あの人は必ず何かしら抜けていますからね」


「あはは」


おどけたように言う副長に、あたしは思わず笑う。


「じゃああたし、これで失礼しますね」


「ええ。呼び止めて悪かったですね」


「こちらこそ、いろいろ教えてくださってありがとうございました」


あたしは丁寧にお辞儀をすると、静かに襖を閉めて廊下を歩き出した。








「薫くんは、自分の心に蓋をしてしまったのでしょうか。お母さんが亡くなられてしまったようですが……」


「……」


後から入ってきた颯さんと、副長が、そんな会話をしているとも知らずに。