意識が戻っても、直紀さんは寝たきりの生活を送っていた。


「そう毎日毎日来なくてもいいのに。稽古で疲れてるんでしょ?颯さんの稽古が最悪なの僕が一番よく知ってるんだから」


「そんなことないですよ。あたしだって体力ついたんですから、前よりは」


「へーえ」


直紀さんは布団に横たわったまま、左手をゆっくりと上げると、あたしの腕に触れた。


「直紀さん?」


「この腕が、筋肉ムキムキになっちゃったら、君お嫁さんに行けないかもね」


あはははは、と笑う直紀さんをじとっと睨み付ける。


「そんなこと直紀さんに関係ないじゃないですかー!!」


「あっはは、そんなムキにならなくたっていいじゃない、もしかして自分でも心配してた?」


「もう!!」