起き上がれないままで直紀さんが悶えているのを、隊長がはははっ!と笑った。


「直紀もお年頃だなぁ!」


「ちょっ……、止めてくださいよ智さん!」


「お年頃?」


「だあぁっ!薫ちゃんは知らなくていいからね!?」


いつもの調子で喋っている直紀さんに、ほっと一安心する。


でも、言葉はほんとにいつも通りだけど、いつもより力がないのとか、起き上がらないのとか、指さえも動いてないのは、起きたばかりだからでしょうか……?


少し不安になりながらも、あたしはその場をあとにした。