魁部隊

「……!!いいんですか?様子を見てくるだけなら、今からでも俺たち……」


「いいえ。君たちの見回りは夜だったでしょう。帰らないと隊長が心配します。確か、昼間は直紀くんと恭介くんが空いていたはずですから、その二人にお願いしましょう」


「……そうっすね」


奏多さんもうなずいた。


「大丈夫ですよ。心配しなくても、この林の中に民間人が踏み込むことはないと思いますから」


もはや森と呼んでもいいようなくらい木が生い茂った林は、太陽の光が届かなくて、昼間でも薄暗いと聞いた。


村の人も、踏み込む人はいなかったはずだ。


「さ、君たちも疲れたでしょう。もう少しで屯所ですから、帰って休みましょう。この時間だと、門の前に隊長がいらっしゃるかもしれませんし」


そういって、副長はくすっと笑った。


「そうですね、いつもより遅くなってるし」


奏多さんも思い当たる節があるのか、苦笑いしている。


表情が変わらないのは颯さんだけだ。


「そうだ、先に隊長の名前だけは伝えておきましょうか。まあ、事情が分かれば自分から名乗りはするでしょうが……」


「というかあの人、警戒心薄いから誰にでもほいほい名乗っちゃうけどねー」


「黙れ奏多。あの人は人をすぐ信用してくださるだけだ」


「……出たよ。颯の隊長崇拝」


「何か言ったか」


「何もー?」