魁部隊

ガラッと道場の扉を開くと、確かに恭介さんの言う通り、颯さんが一人、素振りをしていた。


きんきんに冷えている道場の中、汗をかいている颯さんの様子から、長いことここで稽古していたことが分かる。


颯さんは、扉の開く音で入り口の方を振り返り、あたしの姿を見て驚いたように少し目を見開いた。


「……薫か。どうした」


高く掲げた木刀を下ろし、あたしの方まで歩いてくる。


「いえ。稽古をつけていただこうと思って」


あたしがそう言うと、颯さんはぴたりと歩みを止め、小さく笑った。


「なら、さっさと木刀をとってこい。まずは素振りからだ」


「はい!」


寒い道場の中、あたしと颯さんの声と、木刀がぶつかり合う音が響くのは、それから少しあとのこと。