魁部隊

「怪我はしてないですよね。大丈夫だったんですか?」


副長が心配そうにあたしたちの身体を上から下まで見下ろした。


うん、この人優しい人だ、絶対。


「大丈夫です。熊は倒したんです。俺と、薫で、この刀で。でも……」


「どうした?襲われたんなら、別に罪には問われないと思うが」


口ごもる琥太郎に、不思議そうに颯さんが先を促す。


「その熊、いつの間にかおばあちゃんになってたんです」


代わりに、あたしが口を挟んだ。


「……おばあちゃん熊?」


「違います!人間のおばあちゃんです!あたしと琥太郎が熊に斬りつけた傷跡がそのまんまだったし、もう変身しちゃったとしか……」


「落ち着いてください」


死体の状態を思い出して、また気分が悪くなる。


背をさすってくれながら、副長はふむ、と手を顎に当ててしばらく考え込んでいた。


「よし。とりあえず、我々はこのまま屯所に戻りましょう」