魁部隊

「あーーーーーっ!!」


突然、琥太郎が大声を上げた。


「っ!!ちょっと琥太郎!耳元で叫ばないでよ!」


「どうしたんですか琥太郎くん」


呆れ顔のあたしと、耳をふさぎながら首を傾げる副長。


「薫!すっかり忘れてたけどさ、あ、あの、林の中で、熊がおばあちゃんに……」


「あ……」


正にすっかり忘れてた。


「は?熊がババア?」


「颯、ババアはないでしょ。どういうこと?」


いろいろすっ飛ばした琥太郎の回答に、奏多さんが琥太郎の顔を覗き込んだ。


「あの、俺たち林の中を通ってきたんですけど、そこでいきなり熊に襲われたんですよ」


「熊に?こんなところでか?」


颯さんが辺りを見渡した。


薄明るくなったこの辺りは、確かに家とか人が住んでいる気配はないけど、熊が出そうなところではなかった。


実際、あたしたちも驚いたわけだし。