魁部隊

その姿は、どこにでもいるような、今も、そこら辺を歩いていそうな、普通の男の人。


だけど、死んでいる。


あたしに刺されて、死んだ。


「薫!!何ぼさっと立ってる!!」


「……っ!!」


突然颯さんの怒鳴り声がして、あたしのすぐ後ろまで迫っていた狼に颯さんが一太刀浴びせた。


「ぐあぁっ!!」


「ぼおっとするな!!死ぬぞ!?」


「すみません!!」


慌てて刀を構える。


颯さんの刀は敵を深く切り裂いたはずなのに、相手はまだ立ってこちらを睨んで唸っていた。


「くそっ、こいつらなかなかしぶといな……。動物でもなけりゃ人間でもねぇってか。普通なら死んでるはずの手傷でも死にゃしねぇ」


え?


颯さんの言葉にふと疑問を覚えるけど、すぐにそんな余裕はなくなった。