「へっ!?何!?」


途端に言い合いを止めて、二人揃ってきょろきょろと辺りを見渡す。


そこは高い木とかはなくて、視界が開けている場所。


よく子供たちが遊ぶのに使う場所だった。


でも、今は誰もいない。


「何にも……いない、よね?」


「うん……」


「うぅ……」


「……………っ!!」


やっぱり何か聞こえる。


その音は、ちょうどさっきあたしと琥太郎が転んだ辺りから。


「ひょっとして!!」


何かに気づいた琥太郎は、草を掻き分け、時折折って、その正体を晒した。


「……!!人だ!!」


そこには、正にぼろぼろといっても良いくらいの、男の人が一人倒れていた。