「こらー!!待てってば琥太郎!!」


「ふーんだ!!待てと言われて待つばかは……ぅわあ!?」


「へへーん!転んだー!って、うわあ!!」


草が生い茂る中追いかけっこをしていたあたしたちは、二人おんなじところで何かにつまずき、思いっきり転んだ。


「いってー!薫だって転んでんじゃん!!」


「先に転んだやつに言われたくないもん!!」


擦りむいた膝を抱えながら、言い合うあたしと琥太郎。


そのとき、茂みから呻き声が聞こえた。