歩き出すことわずか数分。


「お前ら、こんなところで何をしている」


変な人に捕まっちゃいました。





林を抜け、道が開けたところで、男の人二人に呼び止められた。


その人たちも腰に刀を差している。二人のうち一人が持っている明かりが、あたしと琥太郎の顔を闇に浮かび上がらせていた。


「えーっと、俺たちは……」


さっきの騒ぎでこっちも冷静じゃない。変な酔っ払いなら蹴散らしてやる―――、


「てめえらまだガキじゃねぇか」


「ちょっと颯、そんな口調じゃおびえちゃって言えるもんも言えないでしょうが。どうしたの?こんな夜遅くに二人っきりで。あ、もしかして邪魔しちゃった?」


眉間に皺を寄せてあたしたちを睨み付ける人(颯……さん?)とは対照的に、にっこり笑った人があたしの顔をのぞき込んできた。


「ぇ、じゃ、邪魔とかえ……?」


こんがらがってわけのわからないことを口に出すと、その人はぷっと吹き出した。


「ごめんごめん!!ほら、若い男女が暗いとこで二人っきりっていったらさあ……ねえ?」


「黙れ」


「あ、ひどい」


颯さんにばっさり切り捨てられてその人が苦笑する。