チュンチュン
「柚空ー!起きろ!!」
大きな声とともにあたしのかぶっていた布団を取り上げた男
成瀬 拓海
「ちょっと!拓にぃ寒い!」
あたしのお兄ちゃん
「もう桜空は起きて用意できてるっつーのにお前は、、」
ガミガミうるさい拓にぃを無視しつつ
仕方なく体を起こした
「もーうるさいな」
他愛のないこんなことも
あたしはまだ慣れない
一階に降りると拓にぃのゆうとおり
桜空はもうご飯を食べてるところだった
「柚空おはよ」
あたしと同じ顔
成瀬 桜空(なるせ さら)
桜空とあたし、柚空(ゆら)は双子だ
「桜空、朝ごはんありがとう!」
毎朝、桜空はあたし達にご飯を作ってくれている
「お父さんは?」
「部屋にこもってる」
こんな日々が一年間毎日続いてる
お母さんが死んだ日から

