「じゃあねお母さん、元気そうなの見たら安心した。明日また来るから。あんまり食べ過ぎないでよー」

「はいはい。大したことなかったのにごめんね。お父さんが大袈裟に言ったんでしょう」

「お父さんは会社戻ったの? まったく、よく言っておかないと」

「出前でお寿司でもとってもらっちゃえ。お父さんが残業みたいだから、先に頼んどけばいいわよ」


いいなあとうらやましがる母に別れを告げて、深瀬と一緒に病室を出る。ああ言われても、ひとりでお寿司って気分でもない。

ひとまず今日はどうしようかな。コンビニで適当に買うのでもいいか。それとも、深瀬に夕飯くらいご馳走すべきかしら。


でも、一緒にいたらボロが出てしまいそうなんだもの。


「……長谷川さ、良かったら俺の家で飯食ってかない?」

「え?」

「すげー、久しぶりだしさ。まあ居酒屋とかでもいいけど、ちょっと早いし。昼飯まだだろ。昼飯には遅いけど、どう?」


深瀬の家で。それを意識してしまって、心臓がどくんと脈打った。