それがユーリの世界だったはずなのに。
気がつけばまた、ユーリは自分の意思とは関係のないところでガラリと世界が変わっていく。
世界が……
「変わりすぎじゃねぇかよっ!!」
落ち着け、落ち着くんだ!
何がどう転んだら王城の一角から禁忌とされる聖域天空の鏡に行き着く?寝相が悪いんです、の一言じゃ片付かないだろ!?
ガンーーー!!
船縁に思い切り頭をぶつけてみたところで試されるのは、頭の固さくらいのもので何の解決策にもなりやしない。
問題はこの船に何故乗り込んでいるかで、否。それよりも重大なのはメインマストにゆらゆら優雅にはためく見慣れたドクロだ。
聖域に船。船にはドクロ。
ユーリに分かることは只ひとつ。
状況は最悪でしかないということくらいか。
そんなユーリの動揺に比例するかのように船は波に従うように揺れ続け、地上は目視出来る場所にはない。
「お前石頭だなあ……っ!痛くねえのか!?」
「痛いか痛くねえかって問題じゃねぇんだよ!ドアホっ!!」
「お前男だなあ!」
「女に見えるか!?ああっ?」
いや、待て待て。俺は誰と話してーーー?
突拍子もなくかけられた声に此処が海賊船だということも忘れて反射で答えるくらいにはユーリも平静ではいられない。
平静どころか動揺しまくった声は意図せず、刺々しく荒げられ言ってしまった後でユーリは気づくのだ。
口は災いの元。
海賊船に好き好んで乗る輩など、ユーリの知る一般市民の中には存在しない。
ましてや出航した海賊船でこうも呑気に語りかけてくる輩など、賊人以外に……
カタカタと壊れた玩具みたいにぎこちない動きは一層情けないくらいだが、此処は海賊船だ。
情けないなんぞという論評は甘んじて受けてやる。箱入り歌姫が賊人恐れて何か文句でも出るものか。
むしろ、後ろを振り返る勇猛果敢なこの行動を誉めて欲しいくらいだ。
気がつけばまた、ユーリは自分の意思とは関係のないところでガラリと世界が変わっていく。
世界が……
「変わりすぎじゃねぇかよっ!!」
落ち着け、落ち着くんだ!
何がどう転んだら王城の一角から禁忌とされる聖域天空の鏡に行き着く?寝相が悪いんです、の一言じゃ片付かないだろ!?
ガンーーー!!
船縁に思い切り頭をぶつけてみたところで試されるのは、頭の固さくらいのもので何の解決策にもなりやしない。
問題はこの船に何故乗り込んでいるかで、否。それよりも重大なのはメインマストにゆらゆら優雅にはためく見慣れたドクロだ。
聖域に船。船にはドクロ。
ユーリに分かることは只ひとつ。
状況は最悪でしかないということくらいか。
そんなユーリの動揺に比例するかのように船は波に従うように揺れ続け、地上は目視出来る場所にはない。
「お前石頭だなあ……っ!痛くねえのか!?」
「痛いか痛くねえかって問題じゃねぇんだよ!ドアホっ!!」
「お前男だなあ!」
「女に見えるか!?ああっ?」
いや、待て待て。俺は誰と話してーーー?
突拍子もなくかけられた声に此処が海賊船だということも忘れて反射で答えるくらいにはユーリも平静ではいられない。
平静どころか動揺しまくった声は意図せず、刺々しく荒げられ言ってしまった後でユーリは気づくのだ。
口は災いの元。
海賊船に好き好んで乗る輩など、ユーリの知る一般市民の中には存在しない。
ましてや出航した海賊船でこうも呑気に語りかけてくる輩など、賊人以外に……
カタカタと壊れた玩具みたいにぎこちない動きは一層情けないくらいだが、此処は海賊船だ。
情けないなんぞという論評は甘んじて受けてやる。箱入り歌姫が賊人恐れて何か文句でも出るものか。
むしろ、後ろを振り返る勇猛果敢なこの行動を誉めて欲しいくらいだ。
