なぎさは、この日中学校の入学式会場にいた。
不安をかけながらも希望に満ち溢れていた。

「新入生のみなさん!ご入学おめでとうございます。今日の日の気持ちを忘れることなく3年間過ごしてください」

くだらない先輩の生徒会のあいさつ。
誰の耳にも届くことがないだろう。
しかしなぎさは、衝撃で満ち溢れていた。
生徒会の副会長がすごくタイプだったのだ。
副会長の名前はれお。
この日から3年間、なぎさはれおに淡い恋をしたのだった。
彼氏もつくることなく、ただれおを追いかける生活だった。
しかし、それは叶わぬ恋だった。
なぜなら、れおのはバスケ部のスタイルがよく美人な彼女がいたからだ。
なぎさは、毎日れおとれおの彼女が仲良く手を繋いで下校する姿を見送っていた。