18:48 昇降口 「……雨」 『止まないな、』 「……傘」 『俺もない』 「……帰り」 『止むの待つしかなくね』 そこまで言ってふと、10㎝以上下にある頭を見下ろした。 『それとも濡れて帰る?』 微動だにもしない彼女を見て、ああヤなのねと納得する。 梅雨のおかげで生憎の雨、部活動をやる生徒たちもほとんどいない。 バスケ部の練習を終え、することもなく空き教室で暇しているであろう幼馴染みを探しだし、昇降口に出てくると、 いっそう強さを増した雨。