唯と渉がバイトを始めてから一週間が経とうとしていた。



俺は唯とシフトがかぶらないようにしていたけど、人数が足りないという事でこの日は急遽出ることになった。




「ありがとうございましたぁー!」




あいつは一生懸命声を出して頑張っていた。



そう、唯は昔から不器用だったけど、なんでも必死に頑張る奴で。



受験だって絶対無理だと言われていたのに合格してみせた。



そういうところも惹かれる要因だったのかもしれない。



ガソスタのバイトなんて、本当は男がメインで働く場所なのに、あいつはイキイキとしてて店員の中でも一番輝いて見えた。




「唯ちゃん、いいよね」




突然後ろから店長の声がしたから思いっきりビビってしまった。




「て、店長いたんすか!?」




俺は慌てて振り返る。



そんな俺を見て店長はクスリと笑った。