幸い、車には引かれなかったが、俺らは病院に搬送された。
俺は擦り傷だけの軽傷だった。
しかし美緒は…
右手首を骨折していた。
後遺症が残る可能性が高いとも医者から告げられた。
あいつは、医者の前で大泣きしていた。
あいつの涙を見たのは、県大会で負けたとき以来だった。
そうだ。美緒は高校でもバスケをすると言っていたのに。
もう当分できないし、下手すりゃこの先ずっとできなくなるかもしれない。
俺は
掛ける言葉が見つからなかった。
ただ、一日でも早く良くなるようにと、春休み中毎日見舞いに行った。
美緒はいつも笑顔だったけど
時折見せる泣きそうな顔が、俺の胸を締め付けた。



