「わ…私先に教室戻ってる…ね…」
2人の顔が見れなかった。
私、今絶対変な顔してる。
こんな顔見られたくない。
急いで歩きたいのに足がもつれてうまく歩けない。
それほどショックな出来事だったんだ。
「唯?」
名前を呼ばれてどきっとした。
顔を上げると、そこには長谷部渉(はせべわたる)君がいた。
渉君は優斗とお兄ちゃんの友達で、近所に住んでいる二つ年上の幼なじみ。
優斗やお兄ちゃんのようなチャライ雰囲気ではないんだけど、なぜか3人は昔から仲が良いんだよね。
冷めてるってお兄ちゃんはよく言うけれど、渉君は優しくていつも冷静で、大人って感じ。
バカにされる私の事をいつも慰めてくれる。
渉君が本当のお兄ちゃんだったらよかったのにって思うくらい優しい。



