「おいお前ら。後ろだからって見えねぇと思ってんだろ?」


突然お兄ちゃんの声がしたので咄嗟に優斗から離れた。


前に座っているお兄ちゃんと彩さんがこちらを見ている。


「ごめんね唯ちゃん…」


彩さんが苦笑いしていた。



「優斗、今日は俺もオヤジもいるし、うかつに手出せねぇよなぁ?」


お兄ちゃん!!

なんてことを…。



「それはどーだか」


「お前らさ、付き合ってまだ間もないだろ?」



な、なんか二人の間に険悪なムードが…



「蒼空に言われたくないね、お前なんて毎日相手とっかえひっかえしてたくせに」


ちょ、彩さんの前でそれは禁句なんじゃ…


案の定、彩さんの顔が曇る。