「あのね…私、先輩と別れたんだ」
「……」
一瞬、何を言ってるのかわからなかった。
今―――
別れたって…
「な…なんで!?なにかあったの!?」
「うん…唯には話さなきゃいけないことがあるんだ」
「な、なに?」
ドキドキして手が震えてきた。
「この手を骨折した時…先輩と一緒にいたの。元バスケ部のみんなとカラオケしてて、私そこで告白したんだ。でもあっさり振られちゃって…わかってたけど、やっぱりショックでその場から逃げ出しちゃってさ。そしたら先輩追いかけてきて。私も無我夢中で走ってたから道路に飛び出しちゃって…それで骨折したの」
「そうだったんだ…」
「嘘ついてて…ごめんね」
美緒は前に、違う理由で骨折したと言っていた。
まさか優斗が関係していただなんて。
「それと…別れた理由って何か関係あるの?」