「あっはっは。優斗もついに…」



「え?」



「いいや。頑張ってこい」




店長は満足げな顔をして、俺の肩をポンと叩いた。



俺は頭を下げて、来た道を引き返した。




マジで風邪ひいてんのか?



とにかく思い当るところに行くしかねぇな。



俺は猛ダッシュで唯んちまで走った。



汗がしたたり落ちてくるのを感じる。


なんでこんなに必死なのか、自分でもわからない。


ただ、この想いを早く…一秒でも早く伝えたかった。


じゃねーと、また何が起きるかわかんねーから。




唯んちの前に着いて、一旦深呼吸した。


インターフォンを鳴らそうとした時、玄関のドアが開かれた。



「え!?優斗君!?」



おばさんが驚いた顔をして俺を見ている。


だよな。こんな汗だくでボロボロの姿見れば誰だってビビるわ。