渉はなぜか笑顔で「わかった、楽しみにしてる」と言い、足取り軽やかに階段を上って行った。
やっぱりこいつは感づいてる気がする。
その余裕そうな顔がむかついた。
そして昼休み、俺と渉は昼飯を持って屋上へ向かった。
「優斗と二人っきりで食べるなんて久しぶりじゃない?」
「そうだな…」
いつも友達5.6人でにぎやかに食ってるから、少し緊張してしまう。
渉はフェンスに寄りかかってこっちを見た。
「で?話って?」
「ああ…。俺さ、美緒と別れた」
「マジで!なんで!昨日あの後なんかあったの?」
「…俺、好きな女がいる」
渉は何も言わず、じっと見つめてきた。
そして静かに口を開いた。
「それってさ…唯の事?」
ドキッとした。
気づいてたんだよな、やっぱ。



