起き上って美緒を抱きしめようとした時、手を跳ね除けられた。
「もう…無理しないでください…」
「え?」
「先輩の辛い顔、私だってもう見たくありません」
「俺…?辛いのはお前の方だろ?」
「先輩は自分の事に気づいてないんですね…私といるとき、どんな顔しているのか。心の底から笑ったことありますか?」
美緒といるとき…
笑っているつもりだった。
「私中学の時から先輩の事ずっと見てるんですよ?気づかないと思ってましたか?あの頃の先輩の笑顔の方が私は好きでした」
「美緒…」
「先輩、自分の気持ちに嘘つかないで。同情で付き合われても嬉しくないですっそんな先輩…嫌いですっ」
肩を震わせて泣いている美緒に、俺はどうすることもできなかった。



