「本当によかったね…」



心にもないことを口にした。



心の底から喜んであげられないことがすごく辛い。


これが、優斗じゃなければ…


私も笑顔でいれたのに。





『唯も渉先輩のこと頑張んなよー?ほら、もうすぐシーランドだし、そこで二人っきりにさせてあげるからさ!』



「え…いーよいーよ!」



渉君が好きだと嘘を言ってから、美緒はしつこく私達をくっつけようとする。


自分だけ彼氏がいるのが申し訳ないと言っていたけど…別にいいのにな…



私の好きなヒトは…



優斗だけだもん。




『でももうすぐ夏だしさ、唯も彼氏出来たら一緒にお祭りとかも行きたいでしょ?』



「うん…」



優斗とお祭りに行けたらどんなに楽しいんだろう。


でもそれは絶対叶わない夢。


ずっとずっと叶う事がないんだ…。