「せ、先輩?…何かあったんですか?」



「もーちょいこのままで」




一人でなんかいたくなかった。




こんなときは“唯”に会いたくなる。



昔みたいに『大丈夫だよ』って、俺の側で笑っててほしい。




でもそれは無理な話だから。



美緒を利用してしまっている俺も、ばばぁと同じくらい最低だよな。



はやく



はやく大人になりてぇ。




あの家を出て、ばばぁのいない世界で暮らしたい。