マンションに着くと鍵が空いていた。
ばばぁは今日仕事が休みだったはず。
休みの日は家で夕方くらいまで寝ているか、どっかに出かけているかで俺ともあまり顔を合わせない。
顔みたくもねーから別にいいけど。
だからばばぁが休みの日、どこで何やってるかなんて知る由もなかった。
玄関を見るとばばぁのサンダルと、その隣には男物の靴があった。
リビングから声が聞こえてくる。
「麗子、ほんとにいいのかよ」
「いいのよ、続けて?」
気持ちわりぃ。
母親の男に媚びる声ほど気持ち悪いものなんてない。
喘ぎ声なんて腐るくらい聞かされてきた。
そのたびに俺は家を出て、朝方に帰宅していた。
最低な女…
早く家を出たいと、俺は小学生の時からずっと思っていた。
バタンッ…
自分の部屋に入ると、パタパタとスリッパの音がして俺の部屋のドアが開かれた。



