トン、と、夏目くんが私の胸に頭を預ける。

そのサラサラの黒髪が、窓から入ってきた風に揺れた。

少し冷たい、もう秋の風だった。


夏目くんの髪を撫でながら、私は窓の外を見下ろした。

木漏れ日に包まれていた、彼女が去る。

あんなにも緑が生い茂っていた木々は、すっかり秋の黄色や橙で染まっていて。


....ひとつの恋の、終わり。

新しい季節に包まれながら、夏目くんを抱きしめた。








Fin.