いつの間にか、“明梨嗄”って呼んでくれるようになって、 あたしが好きって言った、“男らしい慶助さん”になっていた。 でも、慶助さんは慶助さんのまま。 優しい慶助さんのまま……。 「おーい、明梨嗄、兄貴ー!遅いっ!」 声のした方を見ると、少し離れた場所に、朔也が立っていて、あたしたちを呼んでいる。 「行こう。」 「うん。」 あたしたちは、近づけていた体を離して、空港の外へと出た。