「慶助さんも、一緒に行くんだよね? 修学旅行。」 「はい、行きますよ。」 「よかった。 それより、家では、あたしも敬語やめたんだから、慶助さんも使わないでよ。」 「いいんですか?」 「ダメな理由なんてないでしょ。」 「じゃあ、タメ語で。」 「うんっ。」 あたしたちの距離も、すこーしだけ縮まってきた頃。 あたしたちの学年は、修学旅行を楽しみに待っていた。