「あたしの想像だけど、昔から、慶助さんって優しかったと思うな。」 「ああ、優しかったよ、昔から。 兄貴は、今も昔も、全然変わってない。」 「ふふっ、…だと思った。」 あたしは、クラスの子に呼ばれ、教室に戻ることになった。 教室に戻っても、そして戻る途中も、あたしの頭の中は常に、慶助さんでいっぱいだった。