先生は救世主





「ああ、それと。」


「はい。」


あたしが住んでいた家に向かう途中の車で、先生が口を開いた。


「家では、敬語いりませんし、慶助って呼んでいただいて、構いませんよ。」


「け……慶助さん。」


「はい。」


「久しぶりです。
こうやって、人の名前呼ぶの。」


「……いろいろ、あったんですね。」


「はい。
でないとあたしは、あんなこと、しようとしませんでしたよ。」


「そうですよね。」