「……はぁ……はぁ。」


来たのは屋上。

もっと遠くに行きたかったけど、靴を履き替えるのにも、時間がかかってしまうから。


それに、慶助さんと初めて会った場所だから……。


あたしは、腰の高さほどしかない柵に、手をついた。
そして、あのときみたいに、柵を乗り越えようとする。