慶助さんが、教室の入り口に立っていた。 「帰ろうか、明梨嗄。」 「……うん。」 あたしは、鞄を取って、差し出された慶助さんの手を握る。 そして、教室を出る。 後ろで、美咲さんが、文句を言っているのが聞こえたけど、 あたしたちは、二人とも気にもとめなかった。