そして、その一歩を踏み出そうとした時。


「ちょっとっ!!」


突然腕を掴まれた。
そのせいで身体がゆれて、落ちそうになったけど、強く掴まれていたため、落ちずに済んだ。


「なにしてるんですか?」


あたしの腕を掴んだのは、英語の桜庭慶助(サクラバ ケイスケ)先生だった。
男の人だから、腕を振り払おうとしても、振り払えない。


「……この世からいなくなろうかと……。」


「はい?何言ってるんですか?
とりあえず、柵の中に入って。」


「嫌です。離してください。
あたしはもう……。」