そしてやっと1ヶ月がたった。
細かく言うと、35日。

あたしは、一人で空港に来ていた。

朔也も誘ったけど、
“俺が行ったら邪魔だろうから行かない”
って言って、来なかった。


「もう着いてるはずなんだけど…。」


電話をかけてみようと携帯を取り出すと、タイミングよく、慶助さんから電話がかかってきた。


「もしもし。」