ある日、私の家の庭に一輪の花が咲いていた

その花はまるで私に話しかけているような、そんな咲き方をしていた。





「あっ、ヤバイ!!遅刻するー!!」私は走りながら階段を下り朝食を食べずに学校へ向かった。
中学校はそれほど遠くはない。走れば五分で着く距離だ
チャイムが鳴るまであと、三分。
大急ぎで走ったが、、結局着いたのはチャイムが鳴ってから三分後。今時、遅刻したら廊下に立たせるなんてマンガの世界だけだが、二年三組の橋本先生は遅刻や提出物の提出し忘れなどで、すぐに廊下に立たせるのだ。
廊下に立ってから少し経った時廊下の向こう側から足音が聞こえた。聞く限り多分、走っているのだろう。その人の顔がはっきり見えてきた。その人は一組の今井 裕二。小学生からの知り合いだ。目が合った。すると、「なんだー由依また遅刻したのかー?」とバカにしたように言ってくるだが、喋ると怒られるのでなんとか、口を結ぶすると、裕二はつまらなそうに一組の教室へと入っていった。
長い時間が過ぎた。やっと教室に入れてもらえた。
そこで何時間かぼーっとしていると、いつの間にか授業は終わり帰りのHRが始まろうとしていた。
掃除当番だったのでみんなが帰った後、私と他五人で掃除する。『今日はなんだか調子が悪いなー早く終らせて早く帰ろう。』そう決めてテキパキと掃除をすすめていく。
「由依がどんどんすすめてくれたからいつもより早く終わったねー」最近仲の良くなった彩香ちゃんがそう言って帰りの支度をし、ささっと部活に行ってしまった。私は三年生のキャプテンが居る教室に行き今日は部活を休む事を伝えた。帰り道の途中で外周をしていた野球部とすれ違った。『野球部、たしか裕二も野球部だったっけ。』すると、最後尾に一年生らしき部員と一緒に走る裕二が居た。
目が合ったがなにも話さずにただ通り過ぎて行った。


その夜いつもより早く寝ようと9:30にはベットに入った。ベットに入ってから少しした時、ケータイの着信メロディが鳴った。三秒で鳴り終わったのでメッセージアプリの着信メロディだったのだろう。そのまま寝た。

次の朝ケータイを見ると私は固まった。

なんとあの裕二から『好きです。付き合ってください。』というメッセージが来ていた。

爽やかな風がゆるやかに吹いていた。