*杏*

どれくらいの時間が経っただろう…

あの日から私は忠実にリノン様に従っていた


私が華夜さんを斬った事実は消えない
それに冬夜も…




杏「―――…っ」



悔しい…
本当なら私がリノン様を止めなきゃいけない
これ以上こんな事をしても…



でも…私は無力だ…
リノン様が怖くて自分が死ぬのが怖くて何も出来ない


一番嫌いなのがこんな弱い自分…
伝説の四神と言われてるけど自分にそんな資格ない


その時リノン様が私のもとへ来た


リノン「杏、みんなを広場に集めてちょうだい」


私はもちろん従った


広場に集まった妖魔や悪魔、そして魔法族は総勢1万人


いつの間にこんなに!?
それに名のある妖魔ばかり!
こんなに集めてリノン様はいったい何をするの?


リノン「ご苦労様、杏」


リノン様が姿を現すと集まった妖魔達は歓声を上げた


リノン「みんなが集まったわけはもう分かってるわね
今より7日後、私達は月を滅ぼす!
憎き華夜共々全て消し去れ!
成功した暁にはお前達に膨大な魔力を与えるわ」


再び歓声が上がった


リノン「7日後にまたここに集合しなさい
でわ、解散!」


リノン様の合図でみんなは散り散りに散った

そんなの頭に入らなかった
私は固まってしまった


7日後に…月を滅ぼす?



リノン「さて、準備は整ったわ。楽しみね」


そう言ってリノン様は部屋に戻ろうとした



杏「…お待ちください!!」



私は…リノン様を呼び止めていた