スキキライスキ

ああ。

存在が近づいてくるのが分かる。

「…あれぇ?こんな所に人がいるなんて」

さっきの声と全然違う。

なんだ。
私の勘違いだった。

この人なら、私のこと分かってくれるって
顔も見てないのに
そう感じた。
けど
あれは、間違いだったか――

「すみません。邪魔でしたよね。」

私はまだここに居たかったけれど、

なんだか
がっかりしたような感情に襲われて
帰ろうとする――

――ガシッ

「…っ…どこにも…っ行かないでよ…っ」

――ああ。

やっぱり。

当たってた。

この人は私と同じだ――