和也は壁にもたれかかり、“敵わねーな”なんて言っていた。
そう言ったあとに、歩いて行ったからしばらく戻ってくることはないだろう。
俺は病室に入って、葵に声をかけた。
「葵…。久しぶり」
そう言えば、葵は目を真ん丸くしていた。
相当驚いたのだろう。今にも目が出てきそうなくらい見開いている。
そうしてかろうじて出てきた言葉はぎこちないものだった。
「ひ、ひさ…し…ぶり」
俺はそんな葵にニコッと笑いかけた。
そうして、あの事を口にだそうと思った。
でもその前に、葵が先に喋りだした。
「さっきの話しきいた?」
って。俺もそれを言おうと思っていたし、丁度いいと思った。
「うん…。嬉しかった」
俺は素直に答えてみせた。
「そっか。なんか恥ずかしいな」
なんて言いながら、顔を赤くする葵は世界一可愛い。
俺は決心をして、葵にこの気持ちを話そうと思った。
「葵…。さっきの葵の話を聞いて俺思ったんだ。俺もきっと一生葵が好きなんだろうなって。だから、俺ともう一度付き合ってくれないか?」
たくさんの願いを込めて言ったその言葉は、葵に届いたのかな?
葵はなかなか返事をしない。
ついに心配になって、葵に呼び掛けた。

