葵に振られてから、結構時間がたった気がする。
あれから俺は、悩んでいた頃よりも酷くなっていた。
授業にも集中できないし、何にも手につかなくなっていた。
そんな俺を、周りはきっと気付いていたのだろう。
俺に話しかけても、どこかよそよそしいし、腫れ物を扱うかのような態度だ。
みんなに心配をかけないように、明るく振る舞ってはいるがそれが逆に周りには痛々しくみえたのだろう。
坂下でさえ話しかけてこないんだから。
だから俺は、少しでも前を向くために葵に会いに行こうと思った。
もう一度葵に好きになってもらうために…