「葵!高野も連れて来たよ」
「高野?誰?それ」
私が発した発言により、病室が一瞬氷りついた。
「葵?忘れたの?高野功太だよ!葵の彼氏だよ?」
「彼氏?」
私は男の子の方に視線を向けると、その男の子の顔が、くしゃっと歪んだ。
そんなことを思っていたら、男の子が口を開いた。
「高野功太です。よろしく。稲垣葵さん?」
そう言って、私に自己紹介をした。
私も一応お辞儀をしようと、口を開いた。
「葵です。多分私の彼氏?だと思うので、今後ともよろしくお願いします」
そう言ったら、またまた功太くん?の顔がくしゃっとなった。
「よろしく」
そう言って、手を差し出してきた。
私も、手を差し出すと功太くんが手を握ってきた。
そうして功太くんが手を離すと、お母さんにお辞儀をした。
「お母さん…。今日は帰らせて頂きます」
「そう…。ごめんなさいね」
「いえ…」
そう言って、功太くんは病室を出て行った。

